【CAS-JAICI 共催】CAS SciFinder フォーラム 2022 開催報告
2022年12月26日(月)
化学情報協会は、2022 年 11 月 29 日に CAS SciFinderⁿ の製作元である CAS と共催で「CAS SciFinder フォーラム 2022」 をオンラインで開催いたしました。
CAS SciFinderⁿ をはじめとする CAS SciFinder Discovery Platform で利用可能なツールに関する直近の強化や今後の強化予定のほか、CAS が近年開発を進めるライフサイエンスの新コンテンツに関する最新情報をお届けしました。米国 CAS の開発担当者 2 名を含むスタッフが登壇し、CAS SciFinderⁿ の契約担当者をはじめ、研究開発・知財の現場でご利用されているユーザーや管理職、大学の関係者など、多くの方にご参加いただき、昨年以上に盛況を収めました。
CAS Product Roadmap -- Our Vision, Our Products, Our Future --
Tim Wahlberg (Chief Product Officer at CAS) より、CAS SciFinderⁿ および関連製品の 2022 年の強化、および 2023 年に CAS が予定している開発計画について紹介がありました。CAS SciFinderⁿ は、ユーザーからの意見をもとに各種機能強化を行っており、2022 年の強化の中には、年間 200 件以上のご意見をいただいている日本のお客様由来の強化も含まれているとの発表がありました。
2023 年は、CAS SciFinderⁿ や関連製品 (CAS Formulus) に関する検索や機能、コンテンツの強化のほか、ライフサイエンス分野に関する強化を予定しており、今後の CAS の活動に期待してほしいとのメッセージがありました。
CAS Transforming Drug Discovery -- Innovation in Life Sciences --
Dr. Adam R. Sanford (Director, Product Management (Life Sciences) at CAS) より、新コンテンツ CAS Bioactivity、および Drug Discovery に関する新ソリューションについての紹介がありました。これは、CAS がこれまで蓄積してきた化学および科学技術に関する情報コンテンツやソリューション構築における、知見、検索技術、専門知識を駆使したコンテンツおよびソリューションであり、今後段階的にコンテンツデータやソリューションをリリースする予定です。
ライフサイエンス分野に従事する参加者から、新コンテンツやその検索機能についての質問が多数届き、多くの関心が寄せられていました。
CAS Custom Services -- 研究開発の課題を解決する カスタムソリューション --
中村 和仁 (CAS 日本オフィス 事業開発マネージャー) より、CAS のデータソリューションサービスである CAS Custom Services に関する紹介がありました。CAS が保有するコンテンツ、技術、専門知識をベースに、データコンテンツを自社用にカスタマイズした形で提供するサービスで、マテリアルズインフォマティクスにおける活用例を紹介しました。
一歩進んだ文献検索のヒント -- CAS Lexicon、Prior Art Analysis の活用 --
2021 年末以降の CAS SciFinderⁿ の強化のうち、知っておくと役に立つ文献検索のテクニックとして、下記の機能について、検索事例を交えて紹介しました。
・CAS Lexicon : 統制語を用いた文献検索
・Prior Art Analysis : 先行技術文献をワンクリックで検索
本セッションの模様は、化学情報協会ホームページで公開しております。
参加者の声
各セッションに関するコメントから、フォーラムの運営に関する内容まで、多くのご意見が寄せられました。
・CAS の今後の開発方針が聞けて良かった
・Drug Discovery 分野の投資、Bioactivity関連データの今後の強化に期待したい
・CAS Custom Services のデータカスタマイズに興味がある
・CAS SciFinderⁿ で使用したことのない機能を紹介してもらってよかった
・Prior Art Analysis の類似特許検索機能に興味がある
・オンラインでの開催をぜひ続けてほしい
・CAS セッションの字幕がよかった
CAS SciFinder フォーラムとは
2019 年以降、CAS SciFinderⁿ の開発元である CAS と化学情報協会が共同で開催している、日本のユーザー様向けのイベントです。CAS SciFinderⁿ の強化内容紹介のほか、CAS 開発担当者が登壇して最新の開発状況を紹介するセッションで構成されており、日本のユーザーが開発元と直接かかわることのできる機会を提供しております。