CAS SciFinder® フォーラム 2024 を開催しました
CAS と化学情報協会は、昨年に引き続き対面形式で「CAS SciFinder フォーラム 2024 」を2024年9 月に開催しました。本イベントは、CAS SciFinder 利用者のみなさまを対象に、効果的な情報検索の方法や、将来の開発展望について情報共有・意見交換する目的で開催しています。
今回も参加者の皆様から多くのご意見・ご要望をじかにお聞きすることができ、 CAS としても今後のサービス提供を進めるうえでたいへん良い機会となりました。化学情報協会は、引き続き、皆様に有効活用いただくための情報の普及活動に尽力してまいります。
開催概要
東京・大阪の2会場で開催
昨年お客様からご要望いただき、今年は東京(9 月11 日)と大阪(9 月13 日)の2会場で開催しました。東京開催だけではなかなかお会いできない方々にもご参加いただくことができ、お客様・CAS ・化学情報協会の3 者間で充実したコミュニケーションを実現することができました。
CAS からはプレジデントのほか、開発責任者やカスタマーサクセススペシャリストの責任者も登壇し、CAS SciFinder に関する展望、強化内容、具体的な検索事例について発表しました。また、化学情報協会からは個別講習会の実例についてデモを交えてご紹介しました。
CAS SciFinder の契約担当者をはじめ、研究開発・知財の現場で利用されている方や管理職、大学関係者など幅広い職種の方にご参加いただき、盛会裏に終わりました。
CAS Vision, Strategy and AI Landscape
はじめに、Manuel Guzman ( President at CAS )よりCAS の今後の展望や戦略について発表がありました。
CAS は、認知探索を可能にするコンテンツ管理、ナレッジ管理の強みを生かしたソリューション開発を行ってきており、科学領域のカバレッジ拡大とソリューション能力の向上をコンセプトに進化しています。2024 年は、CAS BioFinder Discovery Platform™ を リリースし、ライフサイエンス領域に注力していることをお話ししました。AI に対する取り組みとしては、ユーザー、CAS 、AI 技術の専門家がパートナーシップをもって進めていく必要性を強調し、近いうちに革新的な検索機能が実現する予定であることを説明しました。
The Exciting Future of CAS SciFinder
‐ユーザーの声にもとづく製品強化と今後のロードマップ、ビジョン
Tim Wahlberg ( Chief Product Officer at CAS )より、CAS SciFinder の最近の強化、および2025 年の製品ロードマップとCAS SciFinder のコンテンツと機能のさらなる拡充計画について発表がありました。
2024 年のトピックスとしては逆合成解析における立体化学が劇的に改善されたことや、CAS BioFinder Discovery Platform によるライフサイエンス関連コンテンツの拡充が挙げられます。
CAS の今後の展望としては下記テーマを共有されました。
- 次世代型の検索
- R&D のための知的財産
- ワークフローの拡張
“検索”は引き続き重要なロードマップとなり、優先事項として取り組んでいくとのことです。自然言語認識を用いた機能強化やAI 技術を駆使した検索などますますの機能強化に期待しましょう。
コーヒーブレイク&ネットワーキング
ご参加のみなさまとCAS や化学情報協会のスタッフが直接コミュニケーションできるよう、ネットワーキングの時間を設けました。スタッフ紹介パネルや製品デモ体験にもお越しいただき、コーヒーや軽食をつまみながらお過ごしいただく和やかな時間となりました。
Search Smarter, not Harder
‐CAS SciFinder の検索効率を加速させる秘訣とは
Paul Peters ( Director of the Customer Success Specialists at CAS )より、反応検索と逆合成解析にフォーカスした具体的な検索手法について発表がありました。なかでも、原子マッピングの活用や、自然言語による反応検索によって、より高い精度の検索が実行できる点に焦点を当てました。
さらに、今後数カ月以内にCAS Retrosynthesis の強化が実施される点も言及があり、より現実的な合成経路に焦点を当てた検索が実現するとのことです。
CAS SciFinder をフル活用しよう! ‐JAICI のサポート個別講習会の事例紹介
化学情報協会からは、サポート体制のご紹介を行いました。ユーザーマニュアルやWebinar 、ヘルプデスクなど各種サポートを実施しておりますが、中でもユーザー様ごとにカスタマイズしていただける個別講習会をさらに活用いただきたく、実例を交えてご紹介しました。
CAS SciFinder をフル活用しよう! - JAICI のサポート/個別講習会の事例紹介 (PDF)
CAS セッション Q&A
今年は、CAS スタッフに対するQ&A を最後にまとめて実施しました。3 名が登壇し、みなさまからいただいた質問に回答しました。まとめて実施することで、1 つの質問に対して複数名から回答が得られるなど、充実したQ&A セッションとなりました。
懇親会
さらに今回はフォーラム開催後に懇親会も実施しました。こちらも多くのみなさまにご参加いただき盛会裏に終わりました。ドリンクや食事を囲みながら、より気楽にコミュニケーションを取れる時間となりました。
参加者の声
終了後のアンケートで多くのご意見・ご感想が寄せられました。
- 社内研究員の業務向上につながるよう個別講習会などを計画したい
- 自然言語による検索や逆合成反応の機能強化について参考になった
- 検索事例の紹介があり大変参考になった
- CAS の方針を直接伺い、ディスカッションする良い機会だった
- JAICI の皆様とも面談にてお話できて有益な1 日だった
CAS SciFinder フォーラムとは
2019 年以降、CAS SciFinder の開発元である CAS と化学情報協会が共同で開催している、日本のユーザー様向けのイベントです。CAS SciFinder の強化内容紹介のほか、CAS 開発担当者が登壇して最新の開発状況を紹介するセッションで構成されており、日本のユーザー様が開発元と直接かかわることのできる機会を提供しております。
掲載日 2024 年9 月30 日