化学情報協会

協会について

ごあいさつ

化学情報協会 理事長 一井 朗

「情報ビッグバン」。世界中で次々と発信される最新の科学技術情報。現在は膨大な量の情報に囲まれた時代です。情報の海の中で、適切な情報を的確、かつ効率よく選び出し活用する、すなわち情報を味方につけることは研究開発や知財マネジメントの鍵であり、新たな知の創造や企業価値の拡大のために不可欠です。

天文学的な数量の科学技術情報の中から役に立つ情報を得るのはもはや個人の力の及ぶところではなく、そこに2次情報データベースの意義があります。しかし、データベースも求める人に求められる情報を素早く提供できなければ真に価値ある情報とは言えません。情報を収集し利用しやすい形に加工して集積することに加えて、利用者の目的とする情報に精確に、容易に到達する機能、さらには得られた情報の分析等々を総合的に提供できること、これらがデータベースに求められています。

化学情報協会は、日本の科学、とりわけ化学分野における統合型データベース検索ツール CAS STNext や研究者向けの CAS SciFinder などの高品質データベースサービスの提供とともに、講習会やヘルプデスク等を通じてその利用支援活動を行っています。また、研究開発を支える結晶構造・質量スペクトルなどの各種データベースや辞典類を提供しています。さらに、これまでの蓄積を活かして医薬・化学・バイオ分野の特許調査サービス、シソーラス付きの科学技術専門用語辞書サービス、化合物表記の正確な翻訳を実現した高精度機械翻訳サービスも実施しています。

大規模基盤モデルの台頭による言語処理技術分野での大きなパラダイムシフトは、科学情報の検索技術・ツールにも進歩をもたらすと予想されますが、検索技術・ツールが進歩すればするほど、参照するデータベースの精確性が問われます。これこそが化学情報協会が提供する各種サービスの価値の源泉であることを念頭に、皆様のより幅広い、より高度なニーズに応えるソリューションを提供できるよう、我々は、自らが変革し続け、情報で、科学をひらいてまいります。